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皆さんこんにちは!
BC PROJECT 沖縄の仲宗根です。
腰痛に悩んで整形外科に行き、レントゲンやMRIを撮った結果、こう言われたことはありませんか?
「骨には異常ありませんね。様子を見ましょう」
「いや、こんなに痛いのに異常なしってどういうこと!?」
そう叫びたくなった経験がある方も多いはずです。
実は、腰痛全体の約85%は、画像診断では原因が特定できない、非特異的腰痛だと言われています(※1)。
では、なぜ痛いのか?
最近の研究では、長引く腰痛の原因の一つとして、脳が作り出した『痛みの記憶』が注目されています。
本日は、この厄介な痛みの記憶の正体と、それをリセットするためのトレーニングについて、科学的な視点から解説します。

通常、痛みは「怪我をしたから安静にして!」という身体からの危険信号(アラーム)です。
しかし、腰痛が3ヶ月以上続く「慢性腰痛」になると、少し状況が変わります。
怪我自体(筋肉や組織の損傷)は既に治っているにもかかわらず、脳が痛みを学習しすぎてしまい、アラームが故障して鳴り止まない状態になってしまうのです。
これを専門的には「中枢性感作(ちゅうすいせいかんさ)」と呼びます。
わずかな刺激でも、痛いと感じる(過敏になる)
動くと痛いに違いないと脳が予期してしまう
これが、痛みの記憶の正体です。
腰そのものではなく、司令塔である脳のシステムエラーが、幻の痛みを作り出している可能性があるのです。
「痛いから、動かさずにじっとしていよう…」
急性期(ギックリ腰の直後など)には安静が必要ですが、慢性的な痛みの記憶に対して、過度な安静は逆効果です。
痛みへの恐怖から運動を避けるようになると、以下のような負のスパイラル(恐怖-回避モデル)に陥ります(※2)。
痛みへの恐怖
(動くと痛そう…)
(動くのをやめる、大事にしすぎる)
(筋肉が落ちる、関節が固まる、脳の機能が低下する)
(さらに痛くなる)
この悪循環を断ち切る唯一の方法は、
勇気を持って、正しく動くことなのです。

では、どうすればこの記憶を消せるのでしょうか?
答えは、「動いても大丈夫だった!」という新しい記憶(成功体験)を脳に上書きすることです。
適切な運動を行うと、脳内で天然の鎮痛物質(エンドルフィンやセロトニン)が分泌され、痛みを抑えるシステム(下行性疼痛抑制系)が再び働き始めます。
つまり、トレーニングは単に筋肉をつけるだけでなく、脳のシステムエラーを修復するリハビリでもあるのです。
「動けと言われても、痛くて動けないよ!」 という方もご安心ください。
BC PROJECT沖縄では、いきなり痛む動作をさせたり、重いウェイトを持たせたりはしません。
まず、動作評価(FMS)を行い、
・どの動きが痛いのか
・どの動きなら痛くないのか
を明確にします。
多くの場合、腰そのものではなく、股関節が動かないから、腰に負担がかかっているといったエラーが見つかります。
脳に安心感を与えることが最優先です。
例えば、立った状態で前屈すると痛いなら、四つん這いになって背中を丸めてみる。
「あ、この体勢なら痛くない!」と脳が認識すると、アラームのボリュームが少し下がります。
痛みのない範囲で徐々に動きを広げ、腰を使わずに股関節を使うといった正しい身体の使い方を脳に覚え込ませていきます。

異常なしの腰痛は、脳の痛みの記憶が原因かもしれない。
怖がって安静にしすぎると、かえって痛みが長引く(負のスパイラル)。
正しい運動で動いても平気という情報を脳に送り、システムを正常化させよう。
「長年付き合ってきた腰痛だから…」と諦める前に。
あなたの脳と身体には、まだ回復する力が残っています。
BC PROJECT沖縄で、痛みのない生活を取り戻すための、脳と身体のトレーニングを始めませんか?
参考文献
1) Deyo RA, Weinstein JN. Low back pain. N Engl J Med. 2001;344(5):363-370.2) Vlaeyen JW, Linton SJ. Fear-avoidance and its consequences in chronic musculoskeletal pain: a state of the art. Pain. 2000;85(3):317-332.
この記事を書いた人

仲宗根 秀(なかそね しゅう)
BC PROJECT沖縄 代表
論理的・科学的根拠に基づいた指導が得意。
【保有資格】
・スポーツ科学修士
・第1種教員免許(保健体育)
・NSCA-CSCS
・FMS Level1.2
・栄養コンシェルジュ2ッ星
・NASM-GFS
詳しいプロフィールはこちら
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